昨年、私は長年勤めた会社を無事定年退職し、退職記念にかねてから書きためていた短編小説を本にしたいと思った。だが、小説は好きでも、出版に関してはからきしのしろうと。本を出すにはどうすればいいのか、沢山ある自費出版の会社から、どうやって自分に合った会社を選べば良いのだろう。提示された費用は安いのか高いのか。とにかくわからないことだらけだ。
高額な制作費をかけて大量の本を作って流通したものの、ほとんど陽の目を見ることもなく、本は倉庫に眠ったまま、という人も少なからずいるらしい。残ったのは不満だけ、なんていう出版は避けたいと思った。
結論から言えば、私の「初めての『本』作り」は大成功だった。試行錯誤しながら、自費出版の会社を決め、編集者とともに1冊の本を作りあげた時には、なんとも表現しがたい達成感と満足感を感じた。ただ、この満足感を得るには、「本を作っているのは自分だ」という意識が大切だ。すべてを出版社に丸投げして、校正もすべてお任せでは、「こんなはずではなかった」となりかねない。
最初の本作りでかなりの達成感を味わった私は、せっかくの経験を1人占めしてはもったいないと思い、このサイトを立ち上げることにした。失敗した自費出版の経験や、出版社からの情報はネット上にあふれているが、「達成感を感じた自費出版体験談」は意外と少ないのだ。
そんな私の経験をもとに、出版社選び、費用、編集作業、著者としての心がまえなどについて、お伝えしたいと思う。
是非、皆さんも、自分の作品が低価格でプロ同様の「本」に仕上がる感動を味わっていただきたい。
ちなみに、私は、今、2冊目の作品にとりかかっている。「本」として自分の作品を眺めると、欠点も客観的に見えてくるから不思議なものだ。もっと良い作品を書きたいという欲が出てくるのだ。年金暮らしではあるが、1年に1冊本を出すことを目標として、充実した毎日を送っている。女房殿は、「もっと出版費用が高かったら、記念に1冊作って終わるはずだったのにね」と少々不満のようではあるが……。